続・介護の現在進行形
“老い”を生きる、ってどういう感覚なんだろう。 “老いの不自由”を支えるって、どういうことなんだろう。“老いても地域で暮らす”って、難しいのかな。
現場上がりの叩き上げ-その2
で、続き、
正直言って、
和田行男さんの生の言葉は
歯切れがいいこともあって、説得力がありましたねぇ。
(関西弁、という僕にとっては
 耳障りの良いしゃべり方だったからかもしれないんだけど)

ただ、時に過激、毒舌で、挑発的な表現が随所に出てくるんで
正直言って躊躇う(ひいてしまう)部分もあったんですけどね。
少し本論から外れますが、
その、ひいてしまう部分、というのは、
和田さんが利用者主体、と言いつつも、
和田さんの理論に当てはめているかのように
感じられる部分も少しあるように思えたからです。
でも、
本質部分にだけに耳を傾けると、
認知症ケアに大切なこと、必要なことと思えば
“とことん知りたい”という
貪欲なまでの和田さんの知的欲求が
説得力を生み出しているように思えました。

認知症のケアは百人百色だからこそ、
ケアに難渋するケースであればあるほど“ああでもない〜こうでもない”と
仮説を立てながらケアを進めていくわけですが、
和田さんの場合の仮説は
決して薄っぺらなものではないように思うんです。
知的欲求によって勝ち取った幅広のフィールドから
その方に該当するケアのアイデアを創出していく、その繰り返し。
失敗もあったでしょうが、自分のなかに壁を作らず、
“ああでもない〜こうでもない”を繰り返していかれるうちに
感性は磨かれ、感度は高まっていき、
理論化に至られたのだろうと思います。


その理論の正当性については、
「婆さんたちの有する能力、現在の有り様を
 専門的見地から判断するためには適切な診断が必要だ」
と和田さんが断言されていたところにもあると思うんです。
そこには“良いケア、適切なケアだけで認知症は治る”
と言い切ってしまう愚考はないんです。
認知症が脳の病気である限り、
医療とは切っても切れない存在であること、
その一方で、人と人との関係性障害が本人と周囲の人たちを
より難渋する状態に追いやってしまうことから、
適切なケアも絶対不可欠な存在であること。
この二点は『認知症とは何か』



の著者である小澤勲さん
も言っておられたように
認知症の方々と向き合うときに、
医療とケアは欠くことのできない両輪であると思います。
診断や薬の精査はお医者さんにしかできないかもしれませんが、
その人をとことん知りたいと思い続けることは
僕らケア職にもできますもんね。

和田さんと同様に、介護現場から登場した人物に
三好春樹さんがいますよね。
“鮮度”という点では和田さんにかなわないかもしれないけど、
三好さんの言葉もまた重く、大きいように思います。
三好さんの言葉を借りるならば
「ケア職である我々ができることは、ずっと寄り添うことくらい」
なのかもしれません。
しかしそれはひょっとしたらお医者さんにはできない、
求められないことかもしれません。
(利用者の声に真摯に耳を傾けてくださるお医者さんも
 いらっしゃいますが、、)


ケアの現場にいると、ケアの理想を想うあまりに
思わず嘆いてしまうことが少なくありません。
しかし、小澤勲さんの著書『痴呆を生きるということ』



の“元気をもらえたような読後感”と似て、
今回の和田さんの研修に参加して、
単純に「明日からまたケアがんばろ!」とあらためて思えたことが
自分でも嬉しく思えました。


和田さんと個々の婆さんたちとの間に
一つずつのケアが存在するのと同様に、
私にも向き合っている方々との間にケアが存在しています。
自分とは違った人格と向き合い、その方はどんな人なのかを知り、
リスクを回避し、その方に必要な支援を探り実践することは、
その実、簡単なことではありません。
和田さんは1987年にこの世界に入ったと聞きます。
以来15年余り、それまでの認知症のケアに疑問を抱き、
その思いと実践で得られたことを理論化されました。
その間、自身もおっしゃっておられましたが
数々の失敗を経験されたようです。
それでもなお、あきらめずに、
泥臭いまでにがんばり続けられた和田さんの
真摯な姿勢に学びたいと思います。

和田さんと私ではそのキャラクターが180度ほど違いますが、
(私はあれほどコテコテに関西弁をしゃべりませんし(苦笑))
同じ世界に身を置く者として、後を歩むものとして
すべきことに変わりはないと思っています。
和田さんに習って泥臭く頑張り、自分の言葉と感性で
言語化・文章化していきたいと思います。
そしてケアの仲間に対しては、
重い現実が壁となって立ちはだかっているような時にでも
より良い認知症ケアができるよう達成意欲を
“そそって”いきたいと思います。
介護という仕事をする上での気概をまたひとつ持てた、
そんなことを感じた一年前の研修でした。

テーマ:福祉関連のおすすめ本 - ジャンル:福祉・ボランティア

【2006/04/23 19:47】 | 雑感 | トラックバック(0) | コメント(2) |
<<かもしれない、という恐れ | ホーム | 現場上がりの叩き上げ>>
コメント
太字の文

こんなところに載せていただいて、ありがとうございます。どこかで見かけたら直接声をかけてくださいね。よろしくお願いします。大逆転の痴呆ケア著者 和田行男
【2006/05/24 07:40】 URL | 和多行男 #-[ 編集]
<和田さん
すみません、好き勝手なことを書いてしまって。
はじめまして、
と言いたいところですが、
実は一度お会いしています。
去年の春、京都に和田さんが講演で
来られた際、
途中休憩の時に
喫煙ルームで声をかけさせていただきました。
あの当時はまだ老健の認知症棟にいて
性的な行動をとられる利用者さんのことで
ご相談させていただきました。
あの方はその後他施設に移られましたが、
僕らにやはり多くのことを考えるきっかけを
与えてくれたように思います。

思いついたことをそのまま書いてる
ブログですが、
また良かったら遊びに来てください。
【2006/05/28 15:22】 URL | taro0o0o0o0o0 #hd8CXPv.[ 編集]
コメントの投稿












管理者にだけ表示を許可する

トラックバック
トラックバックURL
http://taro0o0o0o0o0.blog63.fc2.com/tb.php/6-51ad1dfe
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
| ホーム |
プロフィール

taro0o0o0o0o0

Author:taro0o0o0o0o0
63年生まれ、大阪府在住、京都府に通勤。ちなみに写真は僕ではありませ〜ん、セルメン知ってる?

カレンダー

07 | 2008/08 | 09
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31 - - - - - -

フリーエリア

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

月別アーカイブ

カテゴリー

友達申請フォーム

この人と友達になる

ブログ内検索

RSSフィード

リンク

このブログをリンクに追加する

Powered By FC2ブログ

Powered By FC2ブログ
ブログやるならFC2ブログ