続・介護の現在進行形
“老い”を生きる、ってどういう感覚なんだろう。 “老いの不自由”を支えるって、どういうことなんだろう。“老いても地域で暮らす”って、難しいのかな。
『ケアってなんだろう』を読む ‐4‐
磨くって難しいですね、
感性を。
仕事であれ、趣味であれ、何であれ、
天性のものを持った人っているじゃないですか。
そういう人は一握りなわけで、
じゃあどうすればいいのか、
ということになると
努力とか勉強とかという具体的な行動とは別に
“感性を磨く”という表現のされ方があります。
今日はそんなお話も少し含めて。
最近あんまり更新できなてないんですけど、
忘れてはいないんですよ(^_^;)。
もっとマメに更新したい気持ちはあるんですが、
なかなかねぇ。

で、『ケアってなんだろう』です。
今日は西川勝氏との対談部分、
119ページです。


西川さん「(中略)でもきっと、
     “仕事としてケアをする”こと自体が
     必要だったんじゃないかと思います。
     人間は、
     家族みたいに愛情だけを紐帯として
     結び付けられるような存在ではない。
     愛とかからもっと広げたところで
     関係をつくらないと生きていけない。
     でもいまは逆に、
     本来ならば愛ともいえるような
     献身的な介護や
     ケアが善きもの、
     正しいケアとして
     押しつけられているような気が
     するんです。」
小澤さん「それはまずいでしょう、きっと。
     愛が倫理として求められると、
     ケアスタッフもつぶれますよね。
     まずいケアをスタッフがしていれば
     すぐに呼んで話はするけれど、
     そのときに
     “愛が足らん”とか
     “やさしくない”とか、
     そんな話は駄目ですよね。
     認知症の人にとってむずかしいのは
     こういうことで、
     それをあなたは十分に
     わかってくれていないのではないかと、
     言葉にして
     論理にして伝えないと
     まずいでしょうね。
     逆にいうと、
     その人が前に立っただけで、
     どんな人でもくつろいでしまう、
     いい関係ができてしまうような人
     ‐長いあいだ現場にいると、
      そういう人はたまにいます‐
     に勉強しろとはぼくは言いませんし、
     理屈もこねません。」


まず、ほんとにいますよね、ケアで天賦の才を持った人。
医療のこととか制度のこととか
そういったややこしい事はなんも知らないけど
いつも周囲には笑いが絶えず、
他のケアスタッフが頭抱える利用者さんでも
すーっとケアできるおばちゃん、とか。
レクの進行はもちろん、
ケアのあらゆる場面で場の“空気”を読むのが
絶妙に上手い兄ちゃん、とか。
聞き役させたら天下一品の女の子、とか。
、、、、いるわけですよ、天性のもんを持った人。

でもやはり誰もがそんな人じゃないから
自身も「なんとかしよう」とする。
上司も「なんとか育てたい」と思う。
そこのキーワードとして
“愛”が出てくると、ねぇ。
そういうキャラの施設長や
あるいは法人もあるんでしょうけど、
見た目に熱いですよねぇ。
たぶん、「私(僕)と同じ熱さを」
って求められるのかなぁ。

でも、愛情の持ち方って同じじゃないですよ。
人それぞれ。
規定しにくい。
僕の愛が本物で
あなたの愛は本物ではない、
って言えないのが愛だと思うんです。
「愛とは」という問いには
ああで、こうで、こんなんで、
って説明はいくつかできて
“その考え方は僕と同じ”
って言える部分もあるだろうけど、
全部が全部一緒じゃない。
それなのに
「私(僕)と同じ熱さを」
って求められたら
最初はなんとか同じようにしようとしても
そんなんは長続きしないわけで、
やがてある種のバーンアウトを起こす。

でも、もう少し丁寧に
「愛はまぁ必要だけど、
 この場合に必要なことは
 まず○○(たとえば麻痺とか病態とか)
 について知ることで、
 そこに生まれる不自由に
 援助として何が必要かを考え、
 その援助もただ単に提供するのではなく、
 抱かれているだろう辛い気持ちを察して、
 受け取りやすいカタチにして提供する。
 その“受け取りやすさ”への配慮に
 たとえば、愛とかやさしさとかが
 必要なのかもしれないね」
といった説明がケアスタッフになされていれば
まだいいのかもしれません。

でも最近思うのは、
以前なら、こういう議論もなかったのかもなぁ、
って思うんです。
天性のものを持った人は昔からいただろうけど、
それはそういう人、で終ってたのかもしれない。
でも、
寄り添いとか
個別ケアとか
パーソンドセンターケアとか
いろんなことを言われるようになって
少しケアの世界も成熟しかけてきたから、
「ケア現場で愛を倫理として求めることの是非」
について警鐘を鳴らす方が出てきたのかなぁ、って。
“おいおい、それはあかんやろ”って。

一言で総括できるようなもんじゃない、ケアって。

テーマ:福祉関連のおすすめ本 - ジャンル:福祉・ボランティア

【2006/07/02 23:42】 | 認知症 | トラックバック(0) | コメント(0) |
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